FXで(安定して)勝てるかどうかは適切な「ロット」と「レバレッジ」によって決まっていきます。
資金量に合わない大きなロット数を取ってしまうとレバレッジ過多となり、少し逆行するだけですぐに資金はなくなります。
このような事態を避けるために「適切なロット数とレバレッジとはなにか」をこのページでは書いています。
資金を増やすことができるか、あるいは溶けてしまうかはほぼロットによって命運が決まる。
FXの「ロット」と「レバレッジ」の関係について
ロット数は注文時にトレーダー自身で決めます。
対してレバレッジは注文時に何倍にするかというのは注文画面にありません。
FX経験がある人にとってはあたり前のことですが、
私はFXをする前には、レバレッジは注文時に「×3」とか指定して注文するものだと思っていました。
FXでは「ロット数」によって「レバレッジ」が決まる
ポジションを保有した結果として、差し出した証拠金に対して何倍となっているかの「レバレッジ」が決まります。
つまり事前に指定した「ロット数」によって「レバレッジ」が決まるので、レバレッジが何倍かは注文時にそれほど意識しません。
よって「レバレッジが何倍なのか」を把握することよりも、事前に「取るべきロット数」をわかっているのかが大事だと考えています。
ロット数はトレーダー自身で注文時に必ず指定することになるので、状況に合わせて保有すべきロット数は常にわかっていなければならないのです。
FXの口座資金に対してロット数が大きいとハイレバとなる
有効証拠金が少ない状態で「大きなロット数」を取ると「ハイレバ」となり、少し逆にいっただけですぐに強制ロスカットされてしまいます。
身の丈に合わないロットは取らないこと。
口座資金に対して取ったロット数でレバレッジは決まりますが、
国内FXか海外FXか、あるいはFXブローカーによって最大レバレッジは決まっているので、どこを使うかによって口座資金に対して最大で保有できるロット数もかわってきます。
海外口座では少額の入金であっても大きなロット数を取ることができるので、これこそが海外FXで資金を効率よく増やせるメリットとなり、逆に資金を溶かしやすいデメリットということでもあります。
だからこそ常に適切なロット数を取れることがFXで成功するために必要なことであり、このことを含む「資金管理」全般がFXでは重要となってくるのです。
ここまでをまとめると、
- いつだって自分が取る「適切なロット数」をわかっているのかが大事なこととなる
- 注文時にレバレッジを何倍にするのかはそこまで意識するものではない
「ロット数」はいくつにすればいいのか
では、取るべきロット数についてですが、
誰にとってもおすすめなロット数なんて絶対にないです。
具体的な数字をいえるわけがない。
トレードスタイル、トレードにあてる時間、資金力、リスク許容度は人によって違うからです。
それでもひとついえることは、
FXですぐに資金を溶かしてしまう人に共通することとして、
口座資金に対してロット数が大きいということがある。
適切なロットであっても当然に損切りをしてないとかもダメですね。
ストップロスまでの距離とロット数で損失が決まる
あらかじめ最悪のことが起きた場合の損失額を知っておき、それを受け入れることができるのかがFXで成功するための秘訣となります。
「ストップロスまでの距離 × ロット数」で算出される額が想定される損失額です。
スキャルピングのようにストップを設定する間もない場合には、手動で損切りしても「はい次っ」て余裕をもっていえるくらいのロット数を取れるようになることですね。
ストップロスがつくまでの許容できる損失に見合ったロット数を取れるのかが大事ですが、ナンピン(買い増し、売り増し)をすると計算が少し複雑にはなります。
とはいっても慣れてくれば証拠金維持率をみながら「勢い」で追加してしまいますが、そのためには最初のエントリーに余力を持たせなくてはなりません。
事前は「ロット数」| 事後に見るべきは「証拠金維持率」
推定損失額を算出するのがわかりにくいといったことはあると思うので、
ポジションを保有したあとには、証拠金維持率の管理のほうが大事となってきますね。
よほどの短期トレード(スキャルピング)か一発勝負をするという事情がないかぎりは、長くトレードしていくためにエントリー時に4桁以上の証拠金維持率はあったほうがいいです。
いきなり証拠金維持率が200を切っているとかマジで危険です。これではすぐに強制ロスカットされてしまいます。
▼ 証拠金維持率(証拠金率)が2桁になってしまったらほぼ終了…。
個人的には一度の損失を口座資金の5%から大きくても20%までにおさえることがいいですね。ただしこれも資金量とトレードスタイルによりけりです。
複数の少額入金でゼロカットをストップロスとして割り切っているハイレバトレーダーもいます。
具体的な「ロット数」をいうことはむずかしいが…いえることは
誰にとってもおすすめな「ロット数」と「レバレッジ」なんてありませんが、
一般に ロット数量およびレバレッジ は、
- 資金が少ないうちは大きく、口座資金が大きいのならば小さく
- 短期トレードなら大きく、ポジションを長期で保有するのなら小さく
ということはいえると思います。
このことはFXだけではなく投資全般にいえることですが、
資金が少ないほどリスクは追えます。
逆に、資金量があるのなら一度のミスで大きな資金を失うわけにはいかないのでリスクはおさえます。
FXの場合、短い時間軸で決済するのならば損切りも早くなるはずなのでレバレッジは大きくかけられます。
スイングトレードなど長い保有になるほどレバレッジを小さくして、多少逆にいってしまってもロスカットされずに耐えることが大事となってきます
感情的になるとロットが増えてしまう
人間はやっかいなことにメンタルによって「取るべきロット数」や「取引ルール」が崩壊してしまうことがあります。
感情的になるとルールが崩れて資金を溶かしやすくなる。
次のパターンにはとくに注意です!
- 負けを取り戻そうとしている
- いついつまでにお金を用意しなければいけない
上記パターンにおちいっているとロット数は大きくなり、無駄なエントリーも増えてしまうので注意が必要です。
海外FXの「ロット」と「レバレッジ」の注意点
ロットとレバレッジについて海外FX特有の注意すべきポイントがあります。
まず、1ロットの取引単位が国内FXとは違うことですね。
海外FXでは1ロットが10万通貨
国内FXでは1ロットが1万通貨であることに対して、海外FXでは1ロットが10万通貨です(※一部の口座タイプに例外あり)。
海外FXで1万通貨のポジションを取りたい場合には0.1ロットとなります。
1,000通貨でポジションを取りたい場合には0.01ロットとなります。
※FXブローカーによっては、もっと少額の単位で取引できるマイクロ口座タイプが用意されていることがあります。
リアルトレードでは888倍や1,000倍のハイレバレッジはいらない
海外FXでは最大レバレッジ500倍、888倍、1,000倍があたり前のようにありますが、
このようなハイレバレッジは理屈上かけることができてもリアルトレードではいりません。
フル(に近い)レバはすぐに溶かします。
限度いっぱいのロット数を取るとノイズのような上下の揺れでもすぐにロスカットされます。まさに時間と金の無駄。
このことはMT4 / MT5の注文時の話なのであって、FXブローカーマイページの取引口座設定の最大レバレッジは「最大」にして問題ありません。
「最大レバレッジの制限」と「ロットの規約」に注意
FX業者よっては、口座の残高(より正確には有効証拠金)が増えることによってレバレッジに制限がかけられることをあらかじめ知っておきましょう。
最大レバレッジの制限
その通貨ペア・CFDに関係する重大な経済指標やイベント時(大統領選挙や国民投票など)と、FX口座の残高によって最大レバレッジは勝手に変えられてしまいます。
例として、
XMでは最大レバレッジは1,000倍(←888倍から改良された)ですが、口座の有効証拠金が800万円と少しほど(より正確には8万ドル)を超えてくると最大レバレッジは200倍までに制限されます。
昔は2万ドルで200倍までの制限がかかったのでXMではレバレッジ制限も改良されています。
事前にメールで教えてくれるFXブローカーは良心的ですね。
重大なイベント前に届くメールは、FXブローカーが警戒するくらいにボラティリティー(←価格変動)が大きくなる日程です。
ただしタイミングによっては、ポジション保有中にレバレッジ制限がかかってしまう場合もあるので、指標やビッグイベントのときなど、あらかじめ制限がかかりそうなときには維持率に余裕をもたせるようにしましょう。
適切な「ロット」と「レバレッジ」のまとめ
自分の資金量に合ったロット数を取らなければいけないということです。
どれだけFX手法に自信があり、チャート分析ができていたとしても勝率100%なんて絶対に無理なので、FXでは資金管理力ですべてが決まってしまいます。
負けを取り戻そうとしたり、勝ちを急ぎすぎたりすると取るべきロット数がおかしくなり、一度のミスで資金を吹っ飛ばしてしまう。
口座の資金が半分以下になってしまったら取り戻すことは難しくなります。
そうならないように口座資金に応じて「適正ロット」を知り、
エントリーごとにストップロス(損切り予定)がついてしまった場合の損失額をあらかじめ把握してトレードすることが大事だと思っています。