FXトレードでは「スワップポイント」が発生します。
ポジションを保有して日をまたぐごとに通貨ペアによってプラススワップかマイナススワップがつき、トレードの損益に多少なりとも影響していきます。
このページではとくに【マイナススワップ】に焦点をあてて、
FXの「スワップポイント」とはなにか、マイナススワップへの対策、FXトレードにおけるスワップポイントの正しい考え方、スワップフリーのあるFX業者がわかるようになっています。
スワップポイントについて | マイナススワップとは?
FXにおける「スワップ」とは通貨ペアの金利差の調整が起きることで、
FXトレードで「金利が高い通貨」と「金利が低い通貨」ペアを1日以上保有した場合、
一般に高金利通貨の「買い」のポジションを保有することによって利息を受け取ることができ、
高金利通貨の「売り」のポジションでは利息を支払うといったルールになっています。
通貨ペア同士の金利差を「スワップポイント」といい、
スワップポイントはプラスにもマイナスにもなる。
利息のようなものであって実態のある利息ではないのですが、証券会社のスワップのこまかいしくみまでは覚える必要はありません。
例として「円」は低金利の通貨なので、ほとんどの通貨ペアで「円買い」の方向でポジションを取ると毎日マイナスのスワップが引かれてしまうことが多い。
FXはシンプルですが、このルールだけは覚えておく…というよりはトレードしていれば嫌でもわかるようになっていきます。
「MT4 / MT5」のポジションの値上がりによっての含み益はあるのに、マイナススワップが蓄積(ちくせき)されていたことによってトータルの損益ではマイナス表示されているといった経験をするトレーダーは多いはずです。
PC版「MT4 / MT5」ではツールボックスから、スマホ版ではトレード画面のポジションをタップすることによって保有しているポジションごとのスワップ損益を確認することができます。
「FX業者」「通貨ペア」によってスワップのつき方は違う
同じ通貨ペアであってもスワップのつき方はFX業者によってかわります。
通貨ペアによっては「買い」と「売り」の両方にマイナススワップが適用されていることもめずらしくないです。
スワップを含む取引条件は変わっていくことが普通なので、ブローカー公式ページから最新の条件を確認するか、
MT4 / MT5アプリで通貨ペアを選択して「詳細」から条件を確認します。
スプレッドが証券会社によって違うことと同じように、
マイナーな通貨ペアであるほどFX業者によって「スワップ」のつき方の有利不利の差があります。
「マイナススワップ」がやっかい
「マイナススワップの支払い」と「プラススワップを受け取る」タイミングは、FX業者のその日の取引時間がクローズするごとに差し引かれます。
日本時間の場合、早朝ということが多い。
プラススワップがつく分には問題はないのです。
やはり問題なのはマイナススワップで、
水曜明けのクローズには3日分がごっそり取られてしまうことに注意が必要です。
スワップ3日分とは? : 水曜日のクローズをまたぐと、土日分の受け渡し日の影響からプラススワップの場合はスワップの3日分が付与されます。
マイナススワップの場合は水曜のクローズを明けると3日分をごっそり取られます。
口座資金に関係なく「スワップ」は保有したロット数量によって決まります。
ロット数量が大きいほどごっそり取られるので、そのことを少し意識してロットを調整することですね。
スワップはどんなトレーダーが影響を受けるのか
マイナススワップは日ごとに取られるので、
その日のうちに決済すると決めているデイトレーダーにとってスワップは関係ないです。
スキャルピング、デイトレードはスワップの影響を受けることはない。
逆に、スワップの影響を受けるトレーダーは日をまたぎ、状況によってはさらに長く、週を持ち越すようなトレーダーです。
保有ポジションのオーバーナイト(日をまたぐ)は多少ですが、もっとも影響を受けるのはビッグディールを狙おうとしているスイングトレーダーですね。
トレンドやレンジなど相場状況によって時間軸を使い分けるトレーダーもいます。
つまりデイトレーダーだからデイトレードだけをするわけではないですし、スイングトレーダーであっても1日以内で決済することもあるというわけで「決めつけないこと」ですね。
スキャルピングとデイトレードは「スワップ」の影響を受けることはないかわりに、その分「スプレッド」の影響は大きく受けます。
ショートを怖がらないこと | 両方できなきゃFXの意味がない!
使うFX業者と通貨ペアによりますが、
基本的には「ショート(売り)」と呼ばれるポジションを保有する場合にマイナススワップが取られることが多いです。
リスクオフ(悪材料)が起きたときの「ドル円の売り」や「株価指数の売り」が代表格ですね。
株価指数などのCFD取引は「買い」と「売り」の両方にスワップがマイナスであることが多く、スワップとはまた違う「配当金を受け取る・支払う」といったルールが課されているケースもあります。
FXの場合、マイナススワップがあるからといってショートを避けるのは本末転倒です。
FXはトレーディングなのであって、チャンスがあるならば「買い」も「売り」も両方こなせなければ意味がなく、売りをしないことはFXすることの利点を消してしまうからです。
ロング(買い)だけしかしたくないのならFXより現物の株式やビットコインのほうがいい。
「買い」と「売り」の両方で利益を取れることがFXの醍醐味なのであって、下落方向で利益を取ることができるのはトレーダーのみ。
ショートのほうがチャンスがあることも多いです。上昇に比べて下落のスピードは早い!
銘柄の数が多くはなく「買い」と「売り」の二択のFXは一見シンプルですが、だからこそタイミングが重要となり、どこでエントリーするか、どこで決済するか、どこで損切りするか、そこにFXの上手い下手があるのですね。
「マイナススワップ」への対策!
数日や数週間のポジション保有するようなスイングトレーダーに向けたマイナススワップ対策です。
(デイトレードだけにする…ということは除く)
- あらかじめマイナススワップ分を想定してロットを少し下げる
- 部分利確をしていく
- スワップを気にしない!
- スワップフリーの海外FX業者の Exness あるいは XMのスワップフリーの口座タイプのKIWAMI極口座を使う
ロットを落とす
あらかじめ長期戦になりそうなポジションに対してはマイナススワップ分を想定してロットを落とすこと。
部分利確をする
含み益がある場合、ポジションを引っ張りたいときにマイナススワップ分くらいは先に決済しておくのも手です。
気にしない!
「マイナススワップをあらかじめ想定してポジションを取ること」「部分利確をすること」がまじめなマイナススワップへの対策ですが、
あとは「マイナススワップを気にしない!」について。
意外にこのことが一番重要なことです。
じつは私はスワップの問題なんてたいしたことはないと考えていて、
ぶっちゃけスワップはトレードにあまり関係ないです。
値上がり値下がりの損益と比べればスワップは「雀の涙」です。
スワップごときが増えても減ってもあまり意味はないし、気にしすぎる必要はないということ!
結局、FXでは値上がり値下がりの値幅の利益を取れることがすべてなのです。
結論:スワップにこだわらないこと!
値幅を取ることを狙っていたが結果としてスワップがついていたという考え方が適しています。
そういうことで、
オーバーナイト、スイングでもマイナススワップがあるからというだけでショートを取らないなんてことはないですし、
3日分のマイナススワップがくる水曜であっても、そのときチャンスがあるのならショートします。
同じくプラススワップを得ることを目的にしたトレードもしないです。
スワップフリーの海外FX業者
マイナススワップを気にする必要がないFX業者も登場しました。
このようなFX業者のトレードでは、日をまたいでポジションを保有していてもスワップはつねに0となり、スワップによってのプラスマイナスは発生しません。
Exness(エクスネス)のスワップフリーとスワップフリーレベル
Exnessでは全仮想通貨ペアがスワップフリーとなっています。
そのほか取引量を満たすことによってExnessの「スワップフリーレベル」が優待となれば、ゴールド(XAUUSD)、ドル円やユーロドルなどのメジャー通貨ペア全般がスワップフリーになります。
XMのスワップポイント
XMは知名度はあるものの、ながらくスプレッドが狭いとはいえないFX業者であって、スワップもごっそりもっていかれてしまうイメージはありましたが、
XMにもスワップフリーの口座タイプとして「KIWAMI極口座」が登場しました。
FXGTのスワップポイント | 仮想通貨はスワップフリー | 口座タイプによってゼロスワップ
FXGTもXMと同じくボーナスのある海外FX業者なので、そのぶん取引条件が良いというわけではないFX業者だったのですが、ほかのFX業者の仮想通貨のスワップフリー化に合わせてFXGTも仮想通貨ペアがスワップフリーになっています。
FXGTのボーナスのない口座タイプとなるとほかの為替ペアも数日間のスワップフリーとなる特典あり。
「プラススワップ」だからといって長期の積み立てをしない!
プラススワップを得るための長すぎるポジション保有はしないこと!
FX会社の「新興国通貨の積み立て投資をしよう」みたいな間違ったやり方の広告をよくみます。
世界経済が成長していくなかで通貨の価値は基本的には減っていくものです。
そしてスワップなんてものは証券会社側の都合で改悪されます。
(しかも国内FX会社のほとんどがDD(ディーリングディスク)方式です)
このへんのことについて詳しくなる必要はありませんが、
FXでスワップポイントを得ることだけを目的にして通貨を長期保有するということは論外だと考えています。
新興国通貨の長期積み立ては危険!
FXトレードは、レバレッジを使って短期で値幅を狙うものなのであって「スワップ」を目的にしてはいけない。
FX業者によっての取引条件の有利不利について
「スワップ」のつき方が通貨ペアによって、あるいはFX業者によっての有利不利はあります。「スプレッド」の有利不利もそうですね。
ご自身がよく取引する通貨ペアの取引条件がいいFX業者を選ぶべきだとは思います。
ただし通貨ペアの少しの取引条件の有利不利よりも、なるべくFX業者の信頼度で選ぶべきだとも考えています。
少しの節約のために過度に安い手数料のFX業者を選ぶとサーバーが脆弱だったり、サポートが遅かったりと知らないところで不利益を被ることがあり、
極端に取引条件がよかったり、ボーナスが高額なFX業者は一見はよくみえますが、出金拒否・遅延が起きてしまうのならば意味がありません。
FXの「スワップポイント」の考え方のまとめ
- 通貨ペアのスワップがプラスかマイナスかを確認しておくこと
- スイングのポジションを取るならばマイナススワップをあらかじめ意識しておくこと
- 部分利確という選択肢もあること
極端ないい方をするとマイナススワップは無視してもいいくらいだと考えています。
マイナススワップの銘柄であってもチャンスがあるのならばショート(売り)のポジションは取りますし、
トレンドのなかで利益を伸ばせそうだと判断したのなら、日、週をまたがってでもポジションは保有し続けます。
その局面ごとにベストな選択肢を取るということ。
FXは「スワップ」に翻弄(ほんろう)されないことですね。